ランドセルは小学生が6年間使う必需品です。
年長さんになる春ごろには、次の春に小学校入学向けのランドセルのCMが流れ、赤やピンク、水色などランドセルに対する夢が膨らみます。
「一言でランドセルといってもラインナップが多すぎて、どこでどれを買えばよいのかわからない…。」
「迷いすぎて、決まった頃には、欲しいカラーが売り切れていた」
「こだわって決めた工房系の高級ランドセルは重く、小柄な我が子には合わなかった」
という先輩ママのリアルな失敗談もよく聞かれます。
そこで今回は、女の子のランドセルを選ぶときに失敗しない選び方をご紹介します。
ぜひ、親子で楽しいランドセル選びの参考にしてみてください。
目次
ランドセルっていくらぐらいするの?どこで買うの?
ランドセルの値段はいくらぐらいするのでしょうか。
また最近は、さまざまな色とりどりのランドセルが店頭に並んでおり、親子で目移りしてしまいます。
人気の色や実際に小学生が持っているのは、どんな色が多いのでしょうか。
値段
「日本鞄協会 ランドセル工業会」の調査によると、2020年4月に入学した児童のランドセルの平均購入金額はおよそ53,600円です。
大手ランドセルメーカーの公式オンラインショップでも、50,000~60,000円代のもののラインナップが一番多く、ランドセル工業会の調査が反映された価格帯の品揃えだと言えます。
百貨店で売られている、オリジナル商品やアパレルブランドとコラボレートした商品は、それより10,000円ほど高いものも多く見られました。
どこで買うか? メーカー系と工房系の違いは

ランドセルを購入する場所は主に下の3つです。
・百貨店や量販店
・ランドセル工房
・上記の店舗のオンラインストア
百貨店や量販店は「セイバン」「フィットちゃん」をはじめとする大手ランドセルメーカーや店舗オリジナルモデルなど、品ぞろえが豊富です。
いつでも店舗で実物を見て、試着できるので、一番買いやすい場所です。
ただし大量生産の大手メーカーのランドセルを買うと、お友達と“お揃い”になってしまう可能性もあり、こだわる親子にとってはデメリットかもしれません。
ランドセル工房は独自で工房を持つ規模の小さいランドセル製造会社です。
有名な工房として「土屋鞄製造所」「鞄工房山本」「池田屋」などが挙げられます。
そこで販売されるオリジナル商品は「工房系ランドセル」と呼ばれ、大量生産が難しく人気商品は発売初日に完売してしまうこともあります。
工房系ランドセルは、職人の手作りで負荷のかかりやすい部分は手縫いでランドセルを製造するため、仕上がりが美しく、完成度の高いのが特徴です。
そして、一部のコラボ商品以外は百貨店や量販店に卸していないので、工房直営店や展示会などの限られた場所しか実物を見ることができません。
最近はほとんどのお店でオンラインストアがあり、簡単に購入することができます。
店舗や展示会で実物を見て、ゆっくりと家で検討してインターネットから購入するという流れも一般的になりつつあります。
ランドセルを選ぶポイント6つ

この章では実際に、親子で納得のいくランドセルを選ぶ6つのポイントを解説します。
素材
ランドセルに使われる素材は大きく分けて3種類あります。
「人工皮革(クラリーノなど)」「牛革」「コードバン(馬のお尻の革)」の3つです。
それぞれの特徴を表にまとめてみました。

人工皮革は主に「クラリーノ」「ベルバイオ」などの商品名で知られる素材で、大手メーカーのランドセルで今日入される約8割が人工皮革というデータあるぐらいシェアが高く、一般的に普及しています。
素材自体が軽く、加工がしやすいのでカラー展開も豊富、価格もお手頃なものが多い、などがメリットです。
逆に、牛皮やコードバンに比べると高級感がなく、品質が劣化しやすい傾向はあります。
でもよほど乱暴に扱わなければ、6年生になっても問題なく使用できることがほとんどなので、そんなに耐久性を心配する必要はないでしょう。
牛革やコードバンなどの本革は、人工皮革の性能が良くなるまではランドセルの素材の主流でした。
今でも工房系は本革が主流のところもあります。
本革は高級感があり、使えば使うほど皮がなじみ、質感が変化します。耐久性が高いので、人工皮革と比べると高学年になってからも型崩れしにくいのが最大のメリットです。
デメリットは、水に弱く、人工皮革に比べると重い、価格が高めなどが挙げられます。
また、コードバンは牛革より耐久性も高級感もありますが、値段が高いのであまり選ぶ人はいないのが現状です。
デザイン・カラー
「日本鞄協会 ランドセル工業会」の調査では2020年の人気色ベスト5は下のようになっています。

1位 赤系(レッド、ワインレッドなど)
2位 紫系(スミレ、ラベンダーなど)
3位 ピンク系(ピンク、ローズなど)
4位 水色系(スカイブルー、サックス)
3位 こげ茶系(ダークブラウン、チョコなど)
1~3位は僅差で圧倒的な人気色はなく、分散した結果です。
今は多様性が認められる時代、さらに女の子はおしゃれに目覚めるのが早いので、基本的には子どもの好みの色の系統を選ばせてあげてもいいでしょう。
デザインもメーカーによって特徴があり、ほとんど装飾のないシンプルなものから、「かぶせ」と呼ばれる背中の蓋や側面に刺繍があったり、リボンなどの装飾品がつけられいたり、ガーリーなデザインまでさまざまです。
また、ランドセルのふちの部分の色を本体と変えたアクセントカラーがおしゃれなものも人気があります。
女の子の場合は色とデザインが一番のこだわりどころで、かつ、重視するポイントです。
豊富すぎるカラーやデザインに親子で迷って決められない!ということもよくある話です。
リサーチする前に、我が子がどんな色やデザインの傾向を好むのかを聞き取りをしておくことをおすすめします。
小学校入学前に好む色やデザインと、高学年になってからの好みが変わることも、子どもに教えておくことを重要なポイントです。
「ランドセルは6年生のお姉さんになっても使うから、少しお姉さんらしいのを選ぼうね」と声をかけておきましょう。
A4フラットファイル対応

ランドセルのカタログを見ていると「A4フラットファイル対応」という言葉をよく見かけます。
A4フラットファイルとは、プリント類に2穴をあけてとじる紙製のファイルで、A4サイズよりも一回り大きい幅約23cm×高さ約31cmの大きさです。
入学予定の小学校でA4フラットファイルを使うかわからないという場合は、対応しているサイズのランドセルを購入した方がよいでしょう。
大手メーカーや有名な工房のランドセルでは、多くの商品がA4フラットファイル対応なので、安心してくださいね。
背負いやすさ
ランドセルの重さは中身が空の状態でもだいたい1,000g~1,400gぐらいです。
そこに教科書やノート、学用品を入れると約4kgにもなります。
体の小さい低学年だと、子どもの体重の17%もの重さで、体重60kgの大人に置き換えると10.2kgの荷物を背負っている計算に。
そこで、各メーカーは体に負担がかからないように、軽量化や肩ベルト、背中に工夫を施したランドセルを開発しています。
有名大手メーカー「セイバン」の「天使のはね」もその一つです。肩ベルトを肩と背中に密着させ、高い位置で重心が安定するような機能です。
ランドセルは必ず試着し、背中が不自然に曲がっていないか、ランドセルの底と地面が平行になっているかなどをチェックすることが大切です。
子どもの答えが曖昧なら、ママが背負ってみて確認してもよいかもしれませんね。
安全面
小学校への道のりは危険トラブルやがつきものです。
防犯ブザーや反射材が付けやすい設計になっているか、給食袋などを引っ掛けるフックに負荷がかかったときなどに外れて、子どもが怪我をしにくい構造になっているものがおすすめです。
また、学童保育に預けるなどで暗くなってから帰宅する可能性がある場合、ランドセル本体に反射材がついていて光るものもありますので、ご家庭の事情にあわせて選ぶとよいでしょう。
卒業までの6年間保証は必須
毎日使うランドセル、壊れたら?とご心配の方もおられるかもしれません。
ほとんどのメーカーは「6年間保証」が付いていて、修理対応をしてくれるので、ご安心ください。
「購入してから6年間」の場合は、6年生の夏ごろに壊れて保証してもらえなかったということもあるので、「卒業まで」の保証があるランドセルを選ぶことをおすすめします。
2022年度入学に向けての購入スケジュール
それではランドセルはいつ頃、どのように買えばいいのでしょうか。
小学1年生と2022年入学を控えた年中の親でもある筆者がおすすめする購入スケジュールを提案します。
2~3月 インターネットなどで気になるランドセルメーカーにカタログ請求をする
↓
春休み~4月 工房系の展示会に行く(工房系に決定したなら、発売日をチェック、早めに購入)
↓
ゴールデンウィーク~夏休み 百貨店や量販店で試着・購入
というのがおすすめです。
よほど人気の工房系のランドセルにしない限りは、ゴールデンウイークから夏休みまでの間に購入すれば、在庫は充分にあり、デザインもカラーも希望の物が叶います。
百貨店や量販店、一部の大手メーカーでは7月~8月中まで早期購入特典があり、購入するランドセルが決定したら早めに買った方が特典を受けられてお得です。
今年も、ここ2、3年の傾向と同様にゴールデンウイークから夏休みまでがランドセル購入のピークの時期と予想されています。
まとめ

女の子のための失敗しないランドセル選びのポイントを紹介しました。
まとめると
・小柄な子や学校から遠い場合は、本革にこだわらず、軽いものを
・色、デザインは高学年になっても飽きないものを親子で確認
・A4フラットファイル対応サイズ、6年間保証は必須
・背負いやすさや重さ、素材の質感は必ず実物を試着してチェック
・安全面は家庭の事情に合わせて考慮
となります。
ランドセル選びの主役はやはり子どもです。
親が候補を選んで子どもを上手に導き最終決定権を子どもに与えて、親子で納得できるランドセルを購入し、笑顔で入学式を迎えてくださいね。