子育て世代の家に必ずあるもの、それは絵本。
「絵本読んで~!」と子供にせがまれたことも少なくないのでしょうか。
実は絵本の読み聞かせには子供を楽しませる以外にもメリットがたくさんあります。
近年は読み聞かせの効果が文部科学省でも認められ「子供読書活動推進計画」が立てられています。
市区町村で行われる赤ちゃんの健康診断のときに絵本がプレゼントされたり、読み聞かせをしたりする「ブックスタート事業」を行う自治体も増えてきました。
そこで今回は、絵本の読み聞かせのメリットや、何歳まで読み聞かせが必要かについてまとめました。
「たくさん絵本を読んであげたいけど…お得に本を読める方法はないの?」という疑問にもお応えします。
目次
読み聞かせのメリット
「読み聞かせをたくさんすると、頭の良い子に育つ」といわれていますが、実際に東大生の多くが子供の頃に絵本の読み聞かせをしてもらったというデータがあります。
私は子供たちが赤ちゃんのときから育児支援センターの絵本読み聞かせイベントなどによく参加しており、頭の良い子になるという以外にも、大人になっても役に立つ力がつくであろうメリットが多くあると感じました。
参加したさまざまな読み聞かせイベントで聞いた話や、文部科学省の読書推進サイト「子ども読書の情報館」を読んで感じたメリット5つを紹介します。
家族のふれあいの時間を持てる
子供は親の絵本を読む声が大好きです。
ときには楽しく明るく、ときには悲しく静かに読む親の声を聴き、一緒に物語を共有して楽しむことは、親の愛情を感じられる瞬間でもあります。
また膝に乗せて読むことにより、子供は親の温もりを感じ安心感を得られます。
子供にとってもリラックスする時間はとても大切で、親子のスキンシップが多い子は情緒が安定し、自己肯定感が高くなるといわれています。
体のスキンシップと心のコミュニケーションの両方を短時間で取れるのは、他の遊びではなかなか無いでしょう。
感情が豊かになり、想像力が育つ
「絵本は手に取れる冒険の世界」という言葉があります。
読み聞かせをしてもらうなかで物語の世界に入り込み、登場人物の感じた気持ちを体験することになります。
「嬉しい」「楽しい」だけではなく、「悲しい」「悔しい」などのさまざまな感情があることを知って、子供の心は育つのです。
物語の展開を予想してドキドキしたり、絵を見て味や匂いをイメージしたりする経験もできます。
そしていろいろなことに興味が生まれ、物語だけでなく図鑑にも読むようになれば、想像力だけでなく知識もどんどん身につきます。
絵本の中にあるいろいろな冒険や感情を体験することにより、知識も想像力も豊かで人の気持ちを感じ取ることのできる大人にもなれるでしょう。
このように絵本を通じて、将来的にもとても良い影響を与える読み聞かせのパワーはすごいですよね。
読解力や国語力がアップする
絵本の読み聞かせをするメリットで一番ともいえるのがこの言語力に関する部分です。
人が耳から言葉を覚えるので、言語を習得するときに一番有効な方法は「言葉のシャワーを浴びる」とされています。
まだ話せない赤ちゃんでも、繰り返し聞くことによって、言葉を吸収しているのです。
読み聞かせをすることによって、まだ字が読めなくてもたくさんの言葉を聞いて覚え、語彙力がつきます。
親が感情を込めて読むことで、「この言葉は嬉しいときに使うのか、悲しいときに使うのか」も自然と覚えることもできるのも、読み聞かせならでは。
また読書の習慣は、親や学校から無理やり身につけさせることはできません。
読み聞かせが楽しいと本が好きになり、子供自身も自らすすんで本を読む子に成長します。
そうなると読解力が上がり、勉強への理解力にもつながります。
語彙力や読解力があることは、総合的な国語力が高いということになり、国語力は勉強だけでなく全ての基本となる重要な能力なので、ひいては「人間力」のある人に育っていくでしょう。
集中力が養われる

小さな子供はじっとしているのが苦手です。
正直、我が家でも1~2歳のときにストーリー性のある1冊の絵本を最初から最後までスムーズに読むことは簡単ではありませんでした。
ですが、集中しなくても子供の気に入った本を繰り返し読むことによって、興味を持ちはじめ、すこしずつ座っていられる時間が長くなってきました。
焦らず、ときには子供の好きな本しか読まない期間があってもいいのです。
実際に数ヶ月間、「きんぎょがにげた」と「だるまさん」シリーズしか読ませてくれないときもありました。
読み聞かせの習慣を作ることによって、だんだんと集中力がつき、最後まで座って聞いてくれるようになりますよ。
気長に挑戦することが大事です。
パパママの脳トレにもなる
絵本の読み聞かせは、実は親にとってもメリットがあるのです。
文を声に出して読むことは、脳の前頭前野が活性化し、脳トレ効果が得られます。
前頭前野は判断力や思考力を司り、脳の中でも重要な役割を担ってる部分です。
また、そしてさまざまな感情を込めたり、子供の興味を引くために工夫することで表現力も上がります。
そして声に出して読むことは、「セロトニン」という幸せを感じるホルモンの分泌を促進し、ストレス軽減の効果まであります!
子供は大好きなパパ&ママとコミュニケーションをとれて嬉しい、そしてパパ&ママは脳トレとストレス軽減、親子でメリットがたくさんとは、絵本は本当に素敵なツールですね。
読み聞かせは何歳から何歳まで?
結論からいうと、読み聞かせは「いつから始めて、いつ卒業する」ということはありません。
産まれる前から赤ちゃんの耳は聞こえているので、胎教の一環として読み聞かせをする人もいるぐらいです。
0歳のねんねのときからでも、絵本に興味を持ちだす幼児期になってからでも遅いということもなく、好きなタイミングで始めればいいのです。
また、読み聞かせをやめる年齢というのもありません。
そして、「文字が読める」と「話の内容を理解する」は別です。
我が子が通う学研教室の先生に、読解力が低いことを相談すると、読解力を養うためには小学校低学年でも読み聞かせは必要とアドバイスをもらいました。
小学校低学年ぐらいまでは文字を追うのに一生懸命になってしまうので、ストーリーの内容を理解し感情移入することはまだ難しいのです。
子供に「読んで~!」と頼まれる限りは、小学生になっても読み聞かせをしてあげてください。
重くて抱っこできなくなっても、親子のコミュニケーションの手段として、喜んでくれるでしょう。
やがて自分で本を楽しんで読める年齢になったら、逆に子供に親が読み聞かせをしてもらうのも、表現力を高めるのに効果的です。
無料でたくさんの絵本にふれられる!図書館へ行こう!

絵本は意外と高く、1,000円以上するものも多くあります。
「子供にはいろんな絵本を読んであげたいけど、月に何冊も買うのは家計の負担が大きすぎる…」
そんなときは無料で絵本が読めて、借りられる図書館を利用しない手はありません。
でも、図書館は静かにしないといけないところだから、静かにできない小さな子連れにはハードルが高いなぁと思っている子育て世代は多いでしょう。
公共の図書館は住人みんなのもの、子連れだって利用してもいいのです!
最近は子育て支援策の一つとして、カーペットが敷いてあり、靴を脱いで座って絵本を楽しめる「赤ちゃんコーナー」がある図書館も増えています。
また無料で絵本が読める以外にも「おはなし会」や「よみきかせ会」という名前で、読み聞かせや親子のためのイベントなどが行われています。
絵本選びの参考になったり、読み聞かせの資格を持ったプロの絵本の読み聞かせを体験できたりするのも楽しいですよ。
子供がどんな絵本に興味があるかわからないと迷っている方こそ、図書館はおすすめです。
親が子供の頃に好きだったけれども絶版になってしまい、本屋さんに売っていない名作の絵本も、図書館にはまだ置いていることもあります。
筆者も実際にありました! そして子供が楽しんで読んでくれたので、とても嬉しかったです。
そんな図書館ならではの親子のつながりを作ることもできます。
読み聞かせは親子で楽しめる最高のコミュニケーション

このように絵本の読み聞かせはメリットがたくさんあり、将来的にも役に立つ力を育てることができる良いことづくめの方法です。
手軽に親子で楽しめるコミュニケーションのなかでは、最高のものでしょう。
小学校では読書の宿題や授業もあり、読書の習慣は0歳から何歳までに身につけても遅くない、絶対に身につけておくべきものです。
それを楽しみながらできる読み聞かせはやっておいて絶対に損はありません。
ぜひ、いろんなジャンルの本をたくさん読んであげて、お気に入りの絵本を見つけてあげてくださいね。