子供が生まれ、初めての子育てで苦労している方も多いと思います。
人生で初めて「父親」として何とか上手く子育てをしていこうと思っていても、
初めてのことだらけで上手くいかない事も多いと思います。
そんな中で「父親の役割とは一体何なのか?」と考えてしまう人もいるでしょう。
父親という目線から考えたときに子供が生まれる前と後では人生は一変します。
子供が生まれる前までは、自分の自由な時間やお金などが多く、
妻に話せば飲みに行くのも比較的自由に行けるような生活です。
しかし、子供が生まれた後は自分の為の時間も中々取れなくなりますし、
飲みに行くというのも妻に子育ての負担をかけてしまいます。
今回は子供がいる方で「自分は父親として子供に対して何をすればいいのか?」「そもそも子供にとって父親は何をするべき存在なのか?」と悩んでいる方に向けての考えを伝えていきます。
この記事を読むことによって、子供に対する接し方、そして父親のあなたが子供の価値観や人格を作るために重要な存在であること、そして妻との接し方が知れるようになり父親としての役割が何なのか知れて行動できるようになりますので、是非最後までお読みください。
目次
育児を通して「父親」としての役割は何なのか?

昔の時代であれば「男性は仕事で稼ぎ、女性は家を守る」という価値観がありましたが、
今では女性1 人で家のことをやるのは負担が大きいです。
だから父親は仕事と同様に育児に対しても努力しなければいけません。
初めての育児で分からないことも多く「父親としての役割は何なのか?」と考えたとき、
大きく分けて「子供が自立した大人になれるように導くこと」と「母親である妻を休ませること」の2つがあります。
それぞれを説明していきます。
子供を自立した大人になれるように導く

子供というのは生まれた時は、1 人では何も出来ず誰かが常に守らなければいけません。
赤ちゃんの頃から寝返り、ハイハイ、つかまり立ち、そして歩き出す頃になると色々なイタズラを始めるようになり、パパやママは危ないことをしないように常に目を光らせたり、軽く叱ったりしなければいけません。
子供というのは最初は常識というものが存在せず、善悪の区別もついていません。
やってはいけないことをしてしまいますのでパパやママは「人としてやって良い事とやってはいけない事」などを時間をかけて教える必要があります。
人として正しいこと、悪いことを教える
例えば自分や他者を傷つけるような行為の時は本気で叱る必要があります。
(イタズラで刃物で遊んだり、車が走っている横断歩道に向かってダッシュしそうになったり)
食べ物を粗末にする行為なども叱らなければいけません。
例えば私が自分の子育てで本気で叱った体験を紹介します。
ある日、妻の母親が子供が喜ぶだろうとイチゴを大量に買ってきてくれたことがありました。
届けてくれたのは夜で子供も大喜びで「明日の土曜の昼に皆で食べようね」と私は言って、
その日は冷蔵庫にイチゴをしまって就寝しました。
翌日に起床してリビングに行くと愕然とした光景が広がっていました。
リビングの壁やテレビやベランダに続く窓など至るところにイチゴが投げつけられていました。
あまりの状況に愕然としましたが、リビングにはニコニコしている長女。
これはいけないと思い、その時は本気で長女を叱りつけました。
長女は4歳で言葉も分かるので、食べ物というものは作るのが大変なこと、
おばあちゃん(妻の母)がせっかく喜ぶと思って買ってきてくれたイチゴを粗末に扱ったこと、そういったことを長い時間をかけて目を見て言葉を選び本気で叱りました。
子供というのは基本的に可愛いものですが、
時に私の体験のように本当にやってはいけない事をやってしまいます。
そういった出来事を通して子供に人としてやっていい事、
やってはいけない事を父親として教える必要があります。
子供になって欲しい姿に父親自身がなる
親になったあなたは子供に将来なって欲しい姿があると思います。
それは「人に対して優しくなれるような人間になる」や
「辛い出来事があっても乗り越えれるような生き方をする」など色々とあると思います。
しかしあなた自身は子供に対してなってほしい姿になれているでしょうか?
子供というのは「真似」が非常に得意です。
テレビや映画、漫画やYou Tubeで見た行動や言葉などをすぐに真似するようになります。
当然、親の言動、行動、態度、考え方もすぐに真似をするようになります。
人間ですから家では気が抜けて文句を言ったり怒ったりネガティブな感情が出てしまうときもあるでしょう。
でも子供はそんな親の行動を一挙一動全て見ていて、すぐに真似するようになります。
これも私の体験談ですが、私は「時間がない」というのが口癖でした。
初めての子育てで四苦八苦しながら、会社で必要な書類を土日で用意したりする事が多く、
そういった状況の中で子供がワガママやイタズラなどをすると、
「もう時間がないんだから早くしろって!」というのを日常茶飯事に発言していました(無意識でしたが)
そんなある日、ある事に気が付きました。
長女がワガママを言う際に「時間がないから早くして!」と発言する事が多くなってしまったのです。
3歳や4歳になったばかりのまだまだ時間がある子供が「時間がない!」と発言する事もショックでしたが、親の姿をよく見ていて真似をする子供に対して自分自身がそんな姿を日常茶飯事に見せていたことに深く反省しました。
それから私は家では「時間がない」という発言をするのを止めました。
こんな風に子供は親の行動や発言などをすぐに真似するようになります。
子供は親の悪い行動も真似しますが、親の良い行動も真似するようになります。
普段から人と話す時は目を見て話す、ちゃんと挨拶する、お礼を言う、
自分の考えを持ち、人の事を考えれるような人間にならなければいけません。
もし子供に対して優しい人間になってほしいなら、
あなた自身が人に対して優しい人間になりましょう。
辛い状況でも諦めずに考えて行動できるようになって欲しいなら、
あなた自身がそうならなければいけません。
今回、私が体験したのは自分の弱さを認識する出来事でした。
しかし子育てを通さないと気づけなかった部分でもあります。
子育てというのは時折、こういった出来事があります。
子供を育ててるようで、実は親として子供から育てられる「親育て」のような出来事が起き、こういう体験を通して親としての考え方や行動が変化していきます。
父親として厳しくすると共に、何かがあれば必ず守る
子供というのは歩けるようになり、
手足も器用に使えるようになった頃からイタズラが多くなります。
また善悪の区別も付いてないため、大人は子供が正しいことをした時は褒めて、
やってはいけないことをした時は厳しく叱る必要があります。
しかし、それと同時に子供に何かがあれば必ず守らなければいけないのも父親としての役割です。
守るとは衣食住などの生活を確保するために金銭的に稼ぐことであったり、
精神的に心の支えになれるように伝えることです。
女性が外で働くのは珍しくはなくなってきましたが、
父親が外で働いて、母親が家事をするというスタイルもまだまだ残っています。
ですので父親である男性は衣食住の確保をしたり、子供に新しい経験をさせるために収入を稼ぐ必要があるので、子供が生まれる前よりも更に会社で成果を出す必要があります。
それと同時に父親というのは子供にとって「人生にとって最も重要な存在の一つ」です。
大人からすれば些細なトラブルでも子供にとっては絶望的な状況というものはあります。
例えば学校でイジめられてクラス全員から無視されるというような状況です。
小学生などであれば「あと数年すれば学校も卒業するし、それまで我慢すれば大丈夫」と考えるような大人もいるかも知れませんが、子供からすれば永遠に続くような苦しみを感じる体験です。
そんな時に子供の気持ちを受け入れてあげて、一緒にイジメに対して戦ってくれるような存在、守ってくれるような存在だと知らせる必要があります。
辛い出来事があった時に自分の話を聞いてくれて感情を受けてみてくれて、
一緒に考えてくれて守って戦ってくれるような存在、それが親である父親の役割でもあります。
そういった人生の辛い状況でも守ってくれる存在がいるだけで、子供の心には強く深く残り負けそうになるような状況でも考え行動できるような人間になっていきます。
子供に多くの経験をさせてあげる
子供というものは自分の力で行ける場所というものは限られています。
色々な場所に連れて行ってあげて体験させてあげれるのは父親である、あなたの役割です。
動物園や、水族館、遊園地、その他のアクティビティなど様々なお出かけするような場所があります。
子供の時に体験した事というのは大人になってからも思い出や経験として残っています。
子供を連れて色々な場所に行った体験は、子供にとって思い出であると同時に、
自分の興味や関心を広げて好奇心を養うようになります。
そういった好奇心の芽を色々な場所に連れていき体験させてあげることで、その子供は自分にとって楽しいことや好きなことを見つけれることが出来ます。
「自分にとって好きなもの」を知っているというのは人生でも重要な事です。
大人になってからも進学や就職などで悩んだ時に「自分は一体、何をすれば良いんだろう?」と悩んだ人も多いと思います。
過去に色々な体験をして好奇心の芽がある子供は「自分は○○が好きだから、この学校(会社)を選ぼう」と自分なりの選択肢を増やすことが出来ます。
お出かけなどの外出だけではなく、家の中でも一緒に料理をした経験や、DIYなどで一緒に家具を作ったりと何でも構わないので子供に今までとは違う体験をさせてあげて、好奇心の芽を育てるのも父親の重要な役割の1つです。
人生で大事なコミュニケーション【聞く、話す、考える】方法を教える
学校や社会で生きる上でも大切な「コミュニケーション能力」ですが、
そのコミュニケーション能力を育てるのは日常での親子との関わりでも育てることが出来ます。
積極的に子供と会話する事で、子供は相手の話を聞いて理解して、言葉を選び話すことが出来ます。
また人の気持ちを考えるように導くというのも親としての役割だと思います。
先日、私は長女と公園に行きました。
公園にはローラー式の長い滑り台があり、そこでは多くの子供が順番に並んでいて自分の番が来るのをウキウキとして待っていました。
私も長女と一緒に滑るために、その列に並んでいたのですが長女は何とその長蛇の列をかき分けて、自分が1番に滑ろうと割り込もうとしたのです。
その行動に驚く私と周りの子供でしたが、子供を無理やり呼び戻し滑り台の下に降ろし、目を見ながら「○○、滑り台で早く遊びたい気持ちは分かる。でも皆だって早く自分も滑りたいと思っているけどルールを守って、ちゃんと順番を守って並んでいる。○○だけが滑りたい訳じゃないんだよ?自分の事ばかり考えずに、他の子と同じように自分の番が来るまで順番に並びなさい」と叱りました。
シュンと落ち込む長女でしたが、その後はちゃんと「順番通りに並ばなければいけない」というルールを理解して遊ぶようになりました。
こういった体験を通して、子供に人の事を考えれる力を身に付けさせる事も出来ます。
子供が将来、良い会社に入れるために勉強することも大切な事だと思いますが、コミュニケーションというのは会社だけではなく学校やプライベートなど人生の多くの場面で一番使われる大切な力です。
特に「相手の気持ちを考えて考えて、行動して、話す」というのは一生使える力です。
そのコミュニケーション能力は普段の父親と子供との関わりでも育てることが出来ます。
ママである妻を助ける

父親としての役割の大きなもう1つは「ママである妻を助ける」ということです。
子供が生まれ収入を増やすために会社で成果を出さなければいけないし、子供が自分の力で考えれるように多くの経験やコミュニケーション能力を育てることに加えて、子育てで疲れているお母さんを助けることも父親としての重要な役割の1つです。
昔と違い今は子育てに対して協力者が少ない時代
昔は子育てをすれば近隣住民のサポートや親族と同居する事も多く、ママが休める時間などが多くありました。
しかし今は近隣住民との繋がりも無くなり、親族と同居するのも少なくなりました。
その結果、母親は子供と接する時間が増え、家事や育児などの負担も非常に増えています。
聞き分けの良い子供で何でも言うことを聞く子供なら、まだ楽でしょうがそんな子供は中々いないので、
子供のワガママやイタズラに苦労しながら子育てをしなければいけません。
そんな母親を助けてくれる1番身近な存在が父親であり夫である、あなたです。
仕事でも大変な中、家に帰っても休みたい気持ちはあるかも知れませんが、
お母さんである妻を助けれるのはパパしかいません。
子供とコミュニケーションを取る、子供を風呂に入れる、寝かしつけをする、または手伝える家事を手伝うなどをして、お母さんの負担を減らすようにしましょう。
子供との時間を増やすことで、お母さんが休める時間が増える
子供が生まれると「自分の時間」というものは圧倒的に減ります。
それこそ子供が寝てからの2~3時間ぐらいで、子供が起きている間は常に見ていなければいけないし、子供のワガママやイタズラにも対応しなければいけないし、家事も常にしなければいけません。
父親であるパパが子供を見てくれるだけで、お母さんは少しだけ休むことが出来て、少しだけゆっくりとすることが出来ます。
「自分だけでゆっくりとする時間」というのは心を回復させるための大切な時間で、その時間があるだけで、また子育てに対して向き合えることが出来ます。
仕事で疲れて休みたい気持ちは分かりますが、お母さんも子供と四六時中一緒にいることは仕事で疲れているあなたと同じぐらい疲労しています。
子供と一緒にいる時間を増やして、お母さんを少しの間だけ休ませてあげましょう。
育児を【手伝う】という意識は無いか?
世の中で働く父親に多いかも知れませんが育児を【手伝う】と考えている意識はありませんか?
「自分は仕事で朝から晩まで働いているのに、ずっと家にいる妻に帰ってきてから子育てをしろと言ってくる。なんでこんなに自分が手伝わなきゃいけないんだ?」と頭によぎってしまう人もいるかも知れません。
しかし、それは大きな間違いで子供がいる以上「子育て」は夫婦共通の仕事であり、お母さんだけの仕事ではありません。
昔であれば「男は仕事、女は家事と育児」と分担されていましたが、それは今と違い近所付き合いがあったり、親族と同居することが多く家事や育児の負担が今と違い少なかった頃の価値観です。
今は母親の負担が非常に増えているので、子育ては二人で分担しなければ母親の負担が非常に大きくなります。
育児は【手伝う】ではなく父親がするべき事なので、手伝うと考えている方は今すぐに止めましょう。
妻と話し合う時間を作る

父親にとって子供が生まれたら本当に大変だと思います。
仕事も以前よりも頑張らなければいけませんし、子供の将来のことを考えて触れ合う必要がありますし、家に帰ってきてからも妻の負担を減らすために育児や家事も積極的に行わなければいけません。
色々な思いや考えがあると思いますが、妻であるママも同じように色々な思いや考えを持っています。
子育てを通してお互い色々な理想や不満は必ずあります。
そういったお互いの気持や考えを話し合う時間を作るために、子供が寝た後や、可能ならお互いの両親に少しだけ見てもらうなどをして考えを話し合いましょう。
長いこと暮らしているから、互いのことは分かっているつもりになっていても話し合いの中で「え?そんな事を思っていたの?」と感じることは多いです。
夫婦で話し合う時間は、今の生活の不満や改善してほしいこと、どんな子供になって欲しいか、子育てや家事育児に対してのお互いの考え方など色々とあります。
子育てというのは楽しさもありますが、ストレスが増える事でもあります。
妻であるお母さんのそういった思いや気持ちを聞ける一番身近な存在は夫であり父親であるあなたなので、二人で話し合う時間は積極的に作るようにしましょう。
その時に、あなたの気持ちや考え、相手の考えや気持ちなどを話し合い一緒に考える時間というのは本当に大切な時間です。
まとめ
子供が生まれて「父親」になると自分の自由な時間やお金も減り、土日なども家族サービスなどで潰れてしまって嫌になってしまうときもあるかも知れません。
しかし記事で書いたように最初は四苦八苦しながら子育てをしていると、子育てを通じて子供にとって自分が重要な存在であることが分かり、自分の行動や考え方を改めるように親として子供から育てられる「親育て」のような事も起きます。
子供にとってあなたが将来に対しての考え方や価値観を育てる重要な存在であるように、
あなたにとって子供も自分の生き方を写す合わせ鏡のような存在です。
初めての子育ては誰でも上手くいきません。
子供が1歳ならパパやママも1年目の1歳なんです。
だから家族皆で一生懸命コミュニケーションを取り、親としても子供と一緒に成長していきましょう。
「父親の役割」は子供が将来に渡って幸せになれるような考え方や力を身に付けさせること、そして大好きな妻であるママを支えて、一緒に家族みんなで幸せになれるように成長することです。